腹膜偽粘液腫闘病記

腹膜偽粘液腫という珍しい病気にかかりました。闘病記をはじめます。

9/1(経過観察になったのでいったん一区切り)

さて、大きな手術も終わり、経過観察に移行したので、ここでまた一旦一区切りにしようと思います。
経過観察の診察時はまた日記を書くつもりです。
体力が回復して経過観察時に元気なら、大阪などの観光でもしたいなと思っています。

約9カ月間、一気に駆け抜けた治療でしたが、一応納得のいく成果を得られたので満足しています。
ただ、再発しやすい病気なので、そこだけが懸念点ではあるけれど。
腹膜偽粘液腫の患者さんの参考になればと書き続けた闘病記なので、今後も何か腹膜偽粘液腫のトピックがあれば単発で更新します。


●治療の経過
腫瘍マーカーの値も併記する。
基準値は以下。
CA19-9・0〜37(U/mL)
CA125・0〜35(U/mL)
※数値の後のHは、基準値よりも高いということ。

2022/12/7
虫垂炎手術の際、腹膜偽粘液腫であることが発覚

2023/1/5
岸和田徳洲会病院に転院し、Y先生に受診。

1/11
CA19-9・26.9
CA125・26.4

1/12
腹腔ポートを入れる日帰り手術を受ける。
腹腔内化学療法1回目。

2/7
CA19-9・42.5H
CA125・36.3H

3/7
CA19-9・39.8H
CA125・42.5H

4/5
2週間おきの腹腔内化学療法を5回し、審査腹腔鏡手術。PCI値14。HIPECを行う。

4/8
CA19-9・26.1
CA125・44.6H

5/9
PCI値14の為、完全減量手術決定。7回目の腹腔内化学療法。
CA19-9・12.2
CA125・19.2

7/20
CA19-9・13.8
CA125・17.1

8/4
2週間おきに腹腔内化学療法を3回し、完全減量手術。
PCI値は7。右卵巣、肝臓周囲の腹膜、大網、小網、左卵巣周囲の腹膜を切除した。その後HIPECを行った。
脾臓と横隔膜も摘出予定だったが、転移がなく温存。
術中採取した粘液からガン細胞は見つからなかった。

8/20
退院。経過観察に移行。


身体的に1番辛かったのは、開腹手術後よりも、10回に及んだ腹腔内化学療法後の副作用でした。
吐き気と痛みと怠さで、毎回最低でも数日は寝たきりになり、その間はひたすら時間が経つのを待つだけの日々。
これでも全身化学療法よりは副作用が軽いらしいです…。
辛かったら我慢せず、先生にアピールすることが肝心です。薬で随分緩和されることもあり、助けられました。特にイメンドカプセルとオキノーム。

また、夫や義母のサポートが手厚かったのも治療を完走できた要因の一つです。
夫は早朝の空港への送り迎えから生活・仕事全般に、義母は主に家事全般を、完全に任せることができたので私も安心して通院ができました。金銭面も、もちろん苦しいながらもなんとか払うことの出来る額に収まり、本当に幸運でした。
あと、子供が中学生と、日常生活については手がかからない年齢になっていたのも大きかったです。乳児や幼児、小学生を持ちながら闘病されている方は本当に大変だと思う。
様々な要因が重なって、東京⇄大阪間の遠距離での治療が継続できたのでした。

日記は長いので、括弧書きでタイトルが付いている日記を読めば、大まかな治療の流れはわかると思います。
早く難病指定になるか、標準治療として腹腔内化学療法やHIPECなどが認められて欲しい。

必ず治ります、とはなかなか言えない病気ですが、寛解できる可能性も高い病気です。
しかしながらなにぶん情報が少ないので、この記録が少しでも腹膜偽粘液腫の患者さんの標となることを願っています。
(2023年9月1日記す)

8/31

ホームベーカリーで焼いた蜂蜜入りのパンが美味しく焼けて、朝ごはんは食パン一枚食べることができた。すごい回復ぶり。
食べられると体も軽く、そこそこ動けるようになった。夜に涼しくなったらウォーキングなどしてみようかしら。

夜は下記の塩シチューを作ってみる。
貰い物のロース肉が冷凍庫にあったので。
https://twitter.com/akari_hasegawa/status/1693951058387849221
これが簡単ながらしっかり旨みもあり、美味しいこと。フランスパンを浸しながら食べるのもよかった。
塩と砂糖とコショウでこんなに完成された味になるなんて、料理って不思議。レシピ通りだとちょっと私には塩っぱかったので、適宜調整すると良い。

夜は息子と王座戦第一戦を観る。
八冠達成の最後の壁が永瀬王座とか、ドラマティックだなぁ。永瀬王座と藤井七冠の関係は、藤井七冠がが中学生デビューしてすぐに永瀬王座が研究パートナーをお願いしてからずっと切磋琢磨している仲なのである。
大食漢の永瀬王座が、昼食と夕食にとんでもない量のカレーを頼んだのに笑ってしまった。
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/274756?page=1
その甲斐あってか、なんと後手番で永瀬王座の勝利。
渡辺九段がAMEBAの解説だったんだけど、AIの評価値的にはずっと藤井七冠が押していて、永瀬王座の逆転勝ちに見えるけど、棋士の感覚で見ている限りそこまで差がついているようには見えない、どっちに転んでもおかしくないように見える、みたいなことを言っていて、なるほどなぁ、と思った。

8/30

少し回復の兆しが見えてきたかな?と言う感じ。
階段が苦ではなくなった。退院した当初は手すりに捕まってそろりそろりと上り下りしていたのだが、今はゆっくりだがトントンと一定のリズムで上り下りできるようになった。

あと、気力が出てきたのか、家の中のことが気になるようになる。息子の布団カバー類を全て剥がし、洗濯、干し、再び付け直し、最後は布団乾燥機で仕上げた。これは退院直後はとてもできなかった家事だ。

夫に、私が帰ってきて洗濯やちょっとした家事を肩代わりしてもらって楽になったでしょ?ときいたら、実は私が入院中もすべて義母にやってもらっていて、生活はさほど変わっていないんだよね、と告白された。
女性のライフスタイルは目ぐるましく変わるが、男性のライフスタイルはそうそう変化しない、と言うのがわかる。義母のやり方に文句はないが、なんというか、「女性の」子育てって永遠に終わらないんだなぁ、と思った。

息子がこう言う立場になってここまでしてやれるか?と思うと、義母も私の性格が違いすぎて比較にはならないが、息子のために、と言うより、配偶者さんのために何かしてあげたいとは思う。義母ももちろんそう言うつもりだったろうけれど。
結果、夫がその好意にフリーライドしてエクスキューズされただけだった。まるでこの世の鏡のようだ。

ちなみに、孫が可愛いという感覚が分からないのだが、私も出産するまでは子供が可愛いと言う感覚がよく分からなかったので、その立場にならないと分からないものもある、と言うのは理解している。
ただ母親とは何なのか、と言うことは、その立場になってもいまだに答えは出ない。

昼ごはんを買いに出かけると、暑いが吹いてくる風は少し涼しく感じる。あの息も苦しいぐらいの暑さも終わりつつある。
とはいえ最近は、10月ぐらいまで30度の日があるからまだ気は抜けない。

8/29

代替療法の日。
体調的に行けるかな?と直前まで逡巡していたのだが、家でゴロゴロしてても体力回復しないし、車で出かけるのもリハビリだと思って行ってみることにした。
車のシートでも尾骶骨が痛くなった。

弟子先生に、内臓のどこどこを切った、お腹のどこに傷がある、というメモ書きを渡したが、うーん、大網ってなんだろう…?みたいな反応だった。
こう言う仕事をしている人は、たいてい鍼灸か柔整の国家資格を持っており、解剖学も学んでいるのだが、やはり骨や筋肉、神経の勉強がメインで、主要でない内臓の名前などはサラッとやっているだけなのだそうだ。覚えてなくても仕方ない。

ベッドにうつ伏せや仰向けはどうにかできたが、施術を受けてやはり疲れてしまった。
痩せましたね、傷を治すのも、食べ物を消化するのも体力を使いますから、生命力をあげて徐々に良くしていきましょう、とのこと。

ボス先生は今日はご機嫌で、悪いところ全部切除したんだね、これから腫瘍体質を改善して長生きしましょう、ダンナさんより長生きして若いツバメを捕まえなさい、なんて軽口を叩いている。
若いツバメが捕まるほど若々しく裕福に長生きしたいところ。

帰りは車だが、たまたま停められたので例のラーメン屋さんで昼食。今の食欲では1番小さいラーメンでも食べきれないので、麺半分でお願いした。
夏休みだからか子供が食べにきていて、一口食べておいしい!と言っていて、お店の人たちがみんなニッコニコだった。
半ラーメンは量がちょうどよく、完食できた。美味しかった。
ちなみに、こちらのお店です。
https://g.co/kgs/jubpwu
Google評価高いなぁ。外観はアレだが、本当に美味しいです。

8/28

期待して飲んだキューピーコーワヒーリングだが、効果はよくわからなかった。いつも通り起床。

義母から連絡があり、発熱していた義甥がコロナ陽性で、濃厚接触者の義母も体調が悪いらしい。
義母はまだ陰性らしいが、どうなることやら。
そして、今週は義母のお手伝いを見込んでいた我が家は俄かに浮き足立つ。
これで義姉も体調を崩したら、今度は我が家がヘルプをしないといけない。

午前中から仕事。何とかこなして昼飯を買いに行く。
左の横腹が痛い。
昼食もおにぎり半分とお味噌汁半分しか食べられず。
午後もすこし仕事をして、残りは夫に任せて横になる。ここでいつもなら寝てしまうところだが、今日はなんとか起きていられた。これキューピーコーワヒーリングの効果かな?

今日は久しぶりに一から夕飯を作らねばならず、簡単なものにしようと、ハヤシライスと野菜スープを作る。
ハヤシライスといってもルーを使わずに、我が家では単に玉ねぎ、豚薄切り肉、ニンニクを炒めてトマト缶で煮込んだだけのものをハヤシライスと呼んでいる。
息子は塾もあり、家族全員夕飯の時間がバラバラなので、どうしてもこういう献立になってしまう。

かくいう私は、作っただけでお腹いっぱいになってしまい、豆腐にゆずポンをかけたのと、お昼の残りのおにぎりだけで夕飯にした。

8/27

体調変わらず。
朝食は結構食べられたが、朝食の時間が遅かったからか、昼食をほとんど食べられず。
体重も増えない。体力が無いからか、気力がなく、全てのことがどうでもよくなって、返って精神は安定しているのかも。

猫は私が寝ていると、ピッタリくっついて眠る。寂しかったのかなぁ。しかし、猫のミューズたる義母が最近来てないから、代わりに私にくっついている説もある。

寝る前に、義母が買ってきたと言うキューピーコーワヒーリングというサプリメントを飲む。
効用に「病中病後の体力低下時」とあり、私にピッタリだなと思う。
ぐっすり眠れて目覚めが良いと口コミがあり、期待している。

ちなみに、私はビタミンサプリメントを長年飲んでいる。高校生の時にひどい肌荒れを起こし、何をしても改善されない日々が続いた。何気なく母が買ってきたファンケルのビタミン剤を飲んだところ、てきめんに効果があって以来、ほぼ欠かしていない。
さすがに入院中は飲んでいなかったが、退院して数日後に再開した。
最近はiHerbの液体リポソームビタミンを飲んでいたが、高騰しており、安いカプセル型のに変更した。カプセルも悪くないけど、液体の方が効果があったなぁ。リプライセルが一箱3000円で買えていた時代が懐かしい。

8/26

息子が部活の大会のため、5時半起き。
お弁当をこしらえて水筒を用意し、6時半に送り出す。
その後は10時ごろまで布団でゴロゴロウトウトしていた。
便秘気味なので、病院で出されたマグネシウムを飲んでおく。1番怖いのは腸閉塞だ。癒着してないといいなー。手術の明細見たら、癒着防止シートを貼ってくれていたみたいだけれど。

お昼ご飯は息子の残りを詰めたお弁当。お弁当になるとお茶碗一杯のご飯も食べられて驚く。これからもお弁当生活しようかしら。

夫が遅いので、仕事を進めておく。商品のピックもしてみたが、あっという間に息が上がる。とにかく腹筋を使う上下運動がきつい。帰ってきたら夫とバトンタッチして横になる。またウトウト寝てしまう。この習慣本当に良くない。

夜、涼しくなってから遠目のスーパーまで歩いてみる。何とかたどり着いたが、買い物中に苦しくなってきて休憩コーナーで休む。机に突っ伏したいぐらい辛かったが、店員さんの視線を感じて我慢する。
帰りも何とか歩き通せて、すこし体力が戻ってきたかもと自信がついた。退院してからこんなに歩いたのは初めてだ。