腹膜偽粘液腫闘病記

腹膜偽粘液腫という珍しい病気にかかりました。闘病記をはじめます。

8/18(完全切除手術後14日目)

ぐっすり8時間睡眠。
手術から2週間が経った。順調に回復しつつある。

朝のルーティンが終わった後、下のローソンでカフェラテを買ってきて、午前中ゆっくり飲むのが至福の時である。体調も良く、優雅な入院生活だと思う。

今1番の悩みは、腹帯が合なかったことによる痒みである。
ゾワワッと痒みが上がってくると、もう矢も盾もたまらず掻きむしってしまう。掻きこわしてしまってるところもあり、どうしたもんか。

あとは食欲の問題。動かないからかお腹も空かないし、病院食は美味しいが、食欲をそそるものでもなく、退院後の体力に不安が残る。家で療養すればそのうち戻ると思うけど、夫や義母が思っているよりヒョロヒョロだと、またその辺に齟齬が出てきたりするのが悩ましい。

同室の女性たちも、退院後の生活に若干の不安がある様子。ヘルパーさんを頼むほどでもないし、かと言って今まで通りに動ける感じじゃないし、全面的にお願いできる親戚も居ないし、どうしたものかしら、とため息をついている。
義母がバッキバキのフルパワーで手伝ってくれている私は本当にラッキーだったと思う。

そんな義母が、紙パック式の掃除機をいよいよ欲しくなったらしく、夫に着払いで買って欲しいとお願いしているので、着払いでなく買ってあげて!と言っておく。
うちの掃除機は大昔に5980円とかで買った記憶があるのだが、今は何と3倍近く値上がっている。物価高〜。それとも昔が安すぎたのか?

8/17(完全切除手術後13日目)

だいぶ熟睡できるようになった。朝までノンストップで寝られる。こう言うのってけっこう回復につながってる要因だと思う。

朝は採血やら、検温、血圧、酸素の測定、看護師さんの交代やY先生の顔見せ、朝食、その後のK先生の回診、などなど忙しい。変なタイミングでトイレとか行っちゃうと、待たせてしまったりすることもあるので気が抜けない。

午後になりiPadが無事到着。3日かかった。台風に当たってしまって不運だったね。でももう不要なので、梱包を解かずに持って帰ろうとおもう。

夕方、夫から、仕事関連で忘れてきたことがあった、息子にやってもらいたいが電話が繋がらない、とLINEがくる。
私が掛け直すと息子が出て、息子から夫に掛け直すように言っておく。どうやら、今日出さねばならない荷物を一つ出し忘れていたようだ。

配送ラベルをZoomで息子に共有し、パソコンで開いてプリントさせ、荷物をニコイチに梱包し直してもらい、ギリギリ集荷に間に合った。

息子はさすがデジタルネイティブ、初めての作業も一を知れば十を知る感じで難なくこなせた模様。
むしろ私が、息子がFinderのことをExplorerと言っていて、Explorerって何だっけ?って一瞬考えてしまった(息子の学校支給のタブレットWindows機)。

後で息子から電話がかかってきて、無事こなせたことを連絡してくれた。ついでにビデオに切り替えて、ベッドでくつろいでいる猫と面会させてくれた。
眠っていたらしく半目だったが、声をかけると耳をピクピクさせている。
退院して忘れられてたら泣いちゃう。

8/16(完全切除手術後12日目)

台風は夜中に過ぎていったようだが、まだ雨風は残っている。

朝、I先生が残りのホチキスを全て取ってくれた。
順調やね、東京まで余裕で帰れるわ、とお墨付きをもらう。
しかし、ドレーンの穴はまだパックリ口を開けたまま、シールで保護してるだけ。なんなら脂肪とか見えちゃってる。こういうのは大丈夫なんでしょうか?ときくと、皮膚は塞がってないが中は塞がってるので大丈夫、そのうち皮膚も塞がる、とのこと。

空いているベッドに新しい術後患者が入ってきた。
話を聞いていると、どうやら私が手術前夜に入院した時に倒れてしまった女性らしかった。
私とは違うが似たような病気で、あのあと一旦退院し、Y先生の手術の予定が繰り上がってまた再入院・再手術したそうだ。
私と同じくIPポートで抗がん剤をしていたそうで、化学療法室ですれ違っていたかもなぁ、と思った。
まだ術後すぐなので心拍数などがナースステーションで見られるようになっていたようで、話していると看護師さんが飛んできて「脈拍上がってるけど大丈夫??あぁお話しされてたん?なら大丈夫やね」みたいなやり取りがあって面白かったです。

もう腹帯せんでもええよ、と言われたので、シャワーの後は持参のブラデリスのナイトブラと無印のタンクトップを着る。
術後ここまでずっとノーブラで、いい加減気になっていたので、やっとおっぱい共々人心地つく。しかし綿は良いですね。これでカユカユとはおさらばだ。

爽やか療法士の先生が来る。
右腰が痛いことを伝えると、丁寧な施術をしてくださった。
さっき私がシャワーに行く時に歩いている姿を見ていたらしく、たぶんお腹の傷を庇って背中を若干丸めて歩いている影響でしょう、とのこと。わーよく見てるなぁ。
腰も良くなり、大満足。

f:id:yuanne-i:20230826102352j:imageお昼はおうどんが出たよ。

f:id:yuanne-i:20230826102413j:imageあとおやつに星ピノ出たよ

8/15(完全切除手術後11日目)

夜中の覚醒はあれど、全体的によく眠れた。
今日は関西に大型台風が上陸する予定で、朝から雨が降っていて風も強い。どうなることやら。

電車も今日は一日中運休らしく、夜勤の看護師さんたちの、ママに迎えにきてもらうわ、あぁそれがええな、みたいな会話が聞こえた。

看護助手の人が出勤できなかったり、とナースステーションはバタバタしている。
関空も連絡道路が封鎖され、旅行者は閉じ込められて孤立してしまっているそうだ。

手術後の傷を守るために、病院から指定された腹帯というのをしているのだが、どうも肌が合わす、擦れる部分がかゆかゆしてきてしまった。
回診に来たI先生に相談すると、じゃあ痒み止め出しとくわ、とのこと。助かる。
ホチキスを半分とる。チクチクするぐらいの痛み。
だんだんと痛い思いをすることが無くなってゆく。

午後、カフェラテを買いに売店へ降りる。平日なので外来は開いているが、患者さんも少ない。

雨風が強くなりつつある外の様子を窓越しに見ながら過ごす。風の唸り声が聞こえる。

8/14(完全切除手術後10日目)

朝起きたらiPhoneが文鎮と化していた。
充電しても真っ暗、もしやと売店でライトニングケーブルを買って試すも反応なし。
ボタンを長押ししまくっても反応なし。

こりゃまずいなと看護師さんに相談すると、院内PHSで夫に電話してくれた。
ネットでiPhone真っ暗の場合のトラブルシューティングを調べてほしいと言うと、俺もたまにある、画面真っ暗の時でも画面の上の方スワイプすればたまに戻る時がある、と言う。
もちろん試しても沈黙のままである。

入院生活、まぁKindleあればなんとかなるけれど、まだあと1週間は続くわけで、さすがに現代社会を生きる身としては電子機器がないのは辛い。

なんだか夫も慌てているみたいで埒が開かないので、iPadを送ってもらえないか頼んでみる。
運悪く、明日は大阪に大型台風が上陸予定である。
送れるなら早めにお願い、あとは公衆電話からもう一回連絡する、と言って切り、一旦PHSをお返しする。
公衆電話から掛け直し、送ってくれるなら早めに発送しないと台風で受付停止になるかも、と言っておく。

と言うわけで、本日より図らずもデジタルデトックスの時間が始まったのであった。まぁKindleはデジタル機器だけど。
iPhoneを手に入れたのは息子を出産直前の2009年7月。それ以来手にしてない日はないであろう。

ちなみにKindleもブラウザは搭載している。初代Kindleからとりあえず残してる機能らしく、ブックマークにMixiとかあるレトロっぷりである。もちろん今のウェブサイトはほとんど見られず、Yahooのトップすらまともに表示されない。Googleは検索だけはできるが、その先のサイトは厳しい感じ。それでも昔はこのブラウザからMixiとか見られたんだろうなぁと感心した。阿部寛のホームページは見られるだろうなと思ったけど試してない。

朝、Y先生が現れる。元気ね!と確認して去ってゆく。
その後K先生の回診。鼠蹊部が腫れているのでホチキスを取って少し開いて様子を見てくれた。膿んでないけど、腫れてるから抗生剤出しとくね、とのこと。

私が看護師さんと話していたのを聞いていたらしく、病室の他の方が、スマホ大変ですね、と声をかけてくださった。そこから会話が弾み、病室の全員が腹膜偽粘液腫で入院中であることが判明した。
私以外の2人は中高年と高齢の女性で、私がネット検索でY先生にまっすぐたどり着いたことに大変驚いておられた。2人ともこの病院に辿り着くまで紆余曲折を経ている様子。

午後、売店でカフェラテを買って持ち帰る。スマホ決済ばかりしていたので、小銭を出すのが面倒だった。しかし、入院以来のカフェイン。ひとくち飲んだら美味しくて(以下略)

夕方になりふと思い立って、KindleのブラウザからGoogle検索でAppleのサイトを見ると、さすがApple、サイトが表示されるではないか!そこでドンピシャの症状があり、トラブルシューティングを試すとあっけなくiPhone復活。、

夫に連絡すると、それ教えてあげようと思ってたんだけど…と事後諸葛亮されてちょっとムッとする。朝の電話で調べて教えてくれれば済んだのに、なぜかマイトラシューを試させる訳わからなさ。
しかしながら私も彼を混乱させたのかもしれないと思い直し、謝っておく。iPadは無事発送されているそうです。
ちなみにトラブルシューティングのやり方は、音量上げボタン短く一回、音量下げボタン短く一回、サイドボタン長押し、というコマンドだった。

かくして短いデジタルデトックスは終わりを告げたのであった。どんとはらい。

8/13(完全切除手術後9日目)

だいぶお布団に体が慣れてきた。
割とまとまって睡眠が取れたと思う。
夜中にまたコードブルーの放送があった。

今日から普通食になったようだ。

f:id:yuanne-i:20230823092650j:imageパンだよ! 10日ぶりのパン。美味しくてジーンとした。
というよりも、パン自体が美味しい。ジャムつけなくてもほんのり甘く、口当たりがよく、それでいてモチモチしている。

リハビリの先生はもう顔を見に来るだけで、頑張って歩いてくださいね!とアドバイスだけして去っていくので、トイレのたびに病棟を一周している。
すると、もうほぼ一日中歩いているんじゃないかなってレベルで毎回必ずすれ違う女性がいて驚く。
少し会話を交わすと、相手は私のことも認識していてくれて、彼女より私の方が回復が早く、良いなぁと思って見ていたとのこと。

f:id:yuanne-i:20230823092728j:image今日はおやつに売店のイートインでピノを食べた。
これも美味しくてジーンとした(本日2回目)。
ちなみに昼夜は以下。

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ピノ食べちゃったので、夕飯が本当に入らなかった。おでん美味しかったのに…

8/12(完全切除手術後8日目)

やはり細切れ睡眠が続く。
相変わらず背中が痛く、マットレスが柔らかすぎるのかしら。

回診は昨日の非常勤の先生。お腹を見て、糸だけ抜糸しよか、とのこと。
またお得意の痛いですか?を発動すると、これはそこまで痛くないそうだ。
ついっと糸を持ち上げてパチンと切り、糸を抜くのを5、6回。確かに痛くない。しかし、ラスボスはホチキスだった。ホチキスはいまだ整列してお腹の上で輝いている。

午後になってY先生来訪。
状態が良いので来週退院しよか?と突然のお話をいただく。
夫の仕事の都合上、火曜と日曜しか退院できない。さすがに来週の火曜日は辛いなぁと言ったら、あんたなら大丈夫だと思うけど、と言われる。しかし、お盆っ盛りだし、台風も近づいているみたいだし、1週間後の来週の日曜日に退院決定と相なった。
2週間ちょっとの入院で退院できるとは思ってなかったのでビックリだ。
私の入院と同時に義甥がイタリアに短期留学に行っているのだが、帰りも彼と同時に東京に戻ってくることになった。
若い人はすぐに退院できて良いわねぇ〜と同室の女性(70代)の嘆きが聞こえた。ドンマイ。

今日はシャワーはないようなので、病棟をウロウロする。隣の病棟に足を伸ばすと、コインランドリー発見。しかし洗濯機がちょっと臭く、あんまり使いたくないなぁ。

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朝・昼・夜。またバナナ丸一本。
半分ぐらい食べられる。
説明付きなのが良い。