腹膜偽粘液腫闘病記

腹膜偽粘液腫という珍しい病気にかかりました。闘病記をはじめます。

8/3(入院当日・手術前日)

朝食はビュッフェにした。このビュッフェがまた素晴らしく、おしゃれな食べ物ばかり。味もとても良い。

チェックアウト後、息子がまた射的をやりたいと言うので、ホテルのロッカーに荷物を預けてまた新世界へ行く。射的をやり、たこ焼きを買ってホテルのロビーへ戻り、出発まで涼ませてもらう。

なにしろ暑く、朝10時の段階で33度とかあるので朝から汗だくになってしまう。
ここから病院のある春木駅までは30分ぐらいで、病院は13時に着けば良いので時間に余裕があった。庭の風景を見ているとあっという間に時間が過ぎてしまう。f:id:yuanne-i:20230816081812j:image


春木駅に到着し、例の亀パラダイスと畑を息子に紹介しながら歩く。
病院のローソンで水分補給と、私は軽くおにぎりを食べて昼食。受付後は歯科検診をして、麻酔科と薬剤師からの話があるも、なにぶん2回目なのでサクッと終わる。

病棟に上がる段階で、未成年である息子は病棟には入れないことが発覚。えー、じゃあ先生の説明も術後の説明も息子は聞けないの?
仕方なく、一階の受付で1人で待たせることにする。

病棟に上がり、デイルームで看護師さんに明日の手術の流れを聞く。
手術の順番は2番目なので、13時開始予定だが、時間は前後する可能性が高いそうな。

夫はデイルームで待機。私は入院部屋に案内され、荷物を広げていると、洗面台の方から、ごつん、と鈍い音が聞こえてきた。カーテンを開けてみると、なんと同室の女性が倒れているではないか! 
入室して2分でナースコールを押すことになるとは。看護師さんたちが駆けつけて女性の意識を確かめ、ベッドに乗せて風のようにCTに連れて行った。たんこぶができたが、頭には問題は無いらしかった。よかったが、なんだか波乱の入院生活の幕開けである。

静かになった病室で荷物を整理し、入院着に着替えてMRIを撮りにいく。
そしてやっと16:00ごろY先生の術前説明にたどり着いた。

ユアンさんね。腫瘍マーカーも化学療法とHIPECで下がっとる。HIPEC前はPCIが14だけど、予想では今は6ぐらいになっとると思うよ。
抗がん剤10回か。なかなかここまでやれる人いないよ。
MRI見ると、右側に腹水があるな。右の卵巣も膨んどる。転移しとる可能性が高いから取る予定だけどどう?その場合、術中に右の卵巣の病理検査をして、転移があったら子宮と左の卵巣も取ったほうがええよ。
(突然、ノーマークの子宮と卵巣の話を振られ、動揺する夫と私)
(えっと、子宮と卵巣を取ってしまってなにか副作用的なものはないんですか)
更年期障害がでるよ。ただそれはテープ貼れば大丈夫。取ってしまえば転移を気にする必要はないからな。
あなた今44歳。もうすぐ45歳ね。更年期が来る年齢やね。子供は?1人おるんやね。もう年齢的にも出産は厳しいし、子宮と左卵巣は取ってしまうことをお勧めするよ。
更年期障害は、こちらの婦人科に診てもらえるんですか?)
うちの婦人科は信用ならん。僕の診察でテープ出すよ。みんなそうしてる。
ほんなら、右卵巣を摘出し、病理で転移があったら全部取る、転移がなかったら残す、と言うのがええかな。
明日の昼までに2人で相談してどうするか決めて知らせて。

…こう言うことは手術直前ではなく、もっと前から言っておくべきだと思うがどうだろう。
あとストーマ人工肛門)の可能性も説明されたが、私の場合は付かないだろう、とのこと。

ティッシュを買いに行くついでに夫と一階へ降り、息子と合流。手早く息子に説明すると、息子は今後の予防のためにも、転移があったら絶対に残りの子宮と卵巣もとったほうがいいと言う。
いつもはぐにゃぐにゃしているが、こういうとき息子はきちんとハッキリ自分の意見を言う。今の子ってこういう教育を受けてるんだろうね。
夫は、右卵巣に転移があっても、何も起きていない臓器を取るのはどうなんだろう…と思案中。
とりあえず夜の間に色々調べて意見を交わすことにした。こう言うときLINEって便利だね。

2人と別れて病室へ戻ると、看護師さんが2リットルの下剤を携えて登場。いまから2時間かけて飲み、お腹を空っぽにすると言う。
まえ大腸の検査で飲んだから経験はあるが、下剤の種類が違うらしく、ただの塩水のような味でつらい。
しかも効き目が遅く、1リットル飲んでも一回しか排出されない。前は1リットル飲んだらほぼ仕上がってたんだけどなー。

風呂に入った後、子宮卵巣を取ったあとの後遺症について調べまくる。
結局、夫とは右卵巣を取り病理に出し、転移していたら残りも取る案で合意した。

9時に消灯。しばらく「義経じゃないほうの源平合戦」を読んでいたが、眠くなったので就寝。