腹膜偽粘液腫闘病記

腹膜偽粘液腫という珍しい病気にかかりました。闘病記をはじめます。

8/25

体調悪し。食欲もなく、昼までゴロゴロして過ごす。
今日で手術からちょうど3週間。
今日から3日間は義母が来られないので、なんとか家事を回さないといけない。

夫曰く、ここまで動けているのはなかなか凄いのではないか、とのこと。
確かに3時間ほどとはいえ、全身麻酔の開腹手術をした割には元気なのかもしれない。
もし他人が、私、開腹手術してから3週間なんです〜なんて話してたら、寝てなくて大丈夫なの!?と思うだろう。

夫に誘われてスーパーに買い物に行くと、魚コーナーでマグロを丸々1匹捌くデモンストレーションをしており、美味しそうなサクが売っていたので昼食用に購入。あと、私の好物の鮭の白子も売っていたので衝動買いしてしまう。
息子の部活の大会用に冷凍食品を買いだめする。

家で刺身用に切り分け、食べてみると新鮮で味が濃く、とても美味しかった。
鮭の白子は塩を振ってぬめりを落とし、湯引きして血を取り除いたあと、牛乳につけて冷蔵保存しておく。

仕事をしたあと、少し安静にする。またウトウトしてしまう。これクセにすると厄介だなぁ。

夕方、息子とまたスーパーへ行き、猫の餌とアイスを買う。私が好きなキャラメルとチーズの味が混ざったポップコーンが売っているのだが、大きいから食べきれないなぁ、と息子に言うと、おれも食べるから買おうよ、カロリー摂れるじゃん、と言う。

f:id:yuanne-i:20230904084204j:image500gよ。買った。
デカすぎて、抱えて持って帰るの恥ずかしかった。

夕飯に白子を水洗いし、ゆがいてポン酢で食べる。好物は結構入る。
ポップコーンも美味しかった。

8/24

ポーラのクリニックという、主に身寄りのない人を訪問診療しているクリニックのブログを以前から読んでいる。
今日のブログで、腹膜偽粘液腫で看取りをしたと言う記事がアップされていた。
https://ameblo.jp/3-14-5/entry-12817569510.html
20年様々な患者を見てきた医師でも、見たことも聞いたこともない病気、と書かれている。

標準治療がないので、こう言う立場の患者は緩和ケアに行くしかないのである。積極的な治療ができた私は本当に幸運だったと言って良い。

はやく難病認定なり何なりして、安定した治療を受けられるようになってほしい。
国立がん研究センターで、希少ガンとして研究はされているようだけど。
https://www.ncc.go.jp/jp/about/research_promotion/study/list/2018-371.pdf
ここでも登場するY先生。すごい。

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朝ごはんに卵かけご飯を茶碗1/3ほど食べたらもうお腹いっぱいになってしまった。
午前中はだるさがひどく、洗濯をした後は寝たり起きたりして過ごす。
昼前になって夫起床。いやー久しぶりによく寝たわ、なんて言ってるけど、自営業だからこそ許される起床時間だよなぁ、と思う。
夫はこちらの仕事をこなして出勤。私も座り仕事を少しする。

午後に義母来訪。
私が入院中はほぼ毎日来てくれていて、退院してからも変わらず来てくれるが、やはり疲れてしまったそうだ。また、週末は忙しくて来られないので、なんとか頑張ってね、とのこと。
夕飯前にはもう疲れてしまい、30分ほどウトウトする。体力がなくなっている。

ドレーンの傷は、胸の横と、右腹の一つは完全に塞がり、残るは2つ。だいぶ乾いてきているのであと1週間ぐらいで目処がつきそうな感じ。しかし、着る予定はないけれど、一生ビキニが着られない体になってしまった。

8/23

息子の誕生日。身長はとっくに越されて、声変わりも終わり、なんだか体つきも細いながらもムキムキしてきている。こんな人間を産んだなんてもう信じられない。赤ちゃんの時のツルツルでフワフワで、ムチムチだった頃が懐かしい。

願わくば彼は病を得ず、健やかに歳を重ねてほしい。

朝体重を測ったら、500gほど増えていた。水分が少し戻ってきたかな。
今回の手術では大網、小網、腫れていた卵巣などを取っているんだけど、重さ的にはどれぐらいだったんだろう。

食欲不振は続いている。胃が小さくなってしまっているんだと思う。徐々に拡張してゆくしかない。
お腹の縦の傷がむず痒く、掻いていたらかさぶたがポロッと取れたが、浸潤液のようなものが出てきてしまった。自分ではよく見えないところに傷があるので、夫にガーゼを貼ってもらう。
しかし、夫はこんなグロい傷をものともせずガーゼ交換をしてくれるのすごい。男の人ってこういうの弱いかと思っていた(偏見)。

退院してから初めて近所のスーパーへ行く。雨が上がった後で蒸し暑く、マスクしているとすぐ息があがる。
途中で座り込みたくなったが、頑張って買い物をして帰る。外が辛い。

午後にまた義母来訪。
義甥がイタリアから帰国し、ザクロのバルサミコ酢をお土産にくれたので味見してみたら、深い味わいに驚く。
今までバルサミコ酢は使った事がなかったのだが、ハマってしまいそう。息子もシューマイにつけて食べると美味しいと言っていた。

義母は今週末は忙しいので来られないそうだ。ハンバーグとピーマンの肉詰めを作ってくれた。なんとかピーマンの肉詰めを一つ食べる。

何を食べたいのかさっぱりわからず、食事が苦痛になってきた。もうこれは日にち薬というか、時間が解決してくれることを祈りたい。

8/22

昨日と比較してよく眠れた。
体調はだるく、勢いよく体を動かすとめまいがするので、動作をスローにせざるを得ない。

息子が部活なので水筒を作って送り出す。
いつもは水筒の中身はポカリスエットなのだが、私が入院中に義母がたらふくジュースを飲ませていたようで、もう飽きたからお茶にしてほしいとリクエストがあったのだ。飽きるって、どんだけジュース飲んでたんだ?

昼に義母来訪。鶏だしのスープを作ってくれて、それでにゅうめん。美味しい。
座りでできる仕事をこなす。昨日と同じようにそれだけで疲れてしまい、ベッドに横になったらいつのまにか眠ってしまっていた。
義母は家事をこなして既に帰ってしまっており、息子も塾で不在。

夫が休みの日なので、明日の息子の誕生会を今日にやってしまおうと、夫がケーキを買いに行ってくれた。
義母が作ってくれた夕食後、3人でケーキを食べる。
ケーキは食べやすいし高カロリーなので、私の療養食にぴったりだなと思う。ムースケーキだったので、なんとか完食できた。

お腹の縦の傷はかさぶたが剥がれてきてだいぶ良くなってきている。
しかし、ドレーンの傷は4個中3個はまだパックリ状態で、閉じるまで長くかかりそうな予感がする。

夫が、手術直後の私の様子を話してくれたのだが、その場に息子もいたそうだ。手術室は2階なので、病棟に移動する間だけ顔を見られると説明があったらしく、夫が連れてきたらしい。夫が話しかけても、私は顔をしかめたまま、わかったわかった、痛いから早く病室に連れてってくれ、みたいなことを言ってたらしい。
その時は全く痛くなかったし、そんなことを言った記憶もないのだが、麻酔がかかっていても無意識下では痛みを感じたりしてるのだろうか。

8/21

布団が変わったらまたよく眠れなかった。
猫が甘えているのか、やたらと布団に入りたがり、その都度目が覚めてしまう。

7:00ごろ起床。朝ごはんに冷凍ご飯を解凍するも、お茶碗1/3ぐらいしか食べられない。
とにかく極度の食欲不振である。病院ではあまり気にならなかったが、家の鏡で改めて見るととてつもなくガリガリで、裸になると骨盤の形がクッキリ、鎖骨も今まで見たことのないぐらい飛び出している。どうりで座ると尾骶骨が痛いわけだ。とにかく何か食わないと。
とりあえず、高カロリーであろうマクドナルドのシェークとかジュース、果物などを摂取する。

午後に義母来訪。手術が成功し、経過観察になったことを労ってくれる。
ちなみに猫は、どんなに深く眠っていても、義母が来だ時の物音を敏感に察知して起きてきて、ニャーニャー甘える。すでに義母は家族として認識しているようだ。

病院と違って家にいると、さまざまな事が目に入ってきてものすごく疲れる事がわかった。
病室のカーテンで区切られるのは、心を落ち着ける重要な役割があったんだなぁ。
目が回りそうで起きていられず、ベッドに横になって過ごす。
夫にドレーンの傷跡を見てもらう。左の1箇所だけまだジュクジュクしているので、ここだけはガーゼで保護した方がいいらしい。滅菌ガーゼとテープを買ってきてもらって貼っておく。

座っているのも疲れるが、少しだけ座ってできる仕事をしてみる。なんとかこなせたが、それだけで今日はもうお腹いっぱいといった感じ。
夕飯を食べた後もほとんど横になったまま就寝。

8/20(完全切除手術後16日目・退院)

退院の日。
またぐっすり眠れて、体調はほぼ万全。
朝食後、荷物の整理をするが、大したものは持ってきていないのですぐにつめ終わってしまった。
飛行機に手荷物が持ち込める大きさのトランク、今回も大活躍だった。
夫は羽田の駐車場が混む関係上、8時台の飛行機なのに6時ぐらいに羽田に着き、駐車場を確保。すこし仮眠をとっていたらしい。

10時ごろお会計が出来て、一階の窓口に支払いに行く。17日間の入院で、お値段80000円ほど。
高額医療費の制限でここまでお安く入院できている。
保険制度に本当に感謝だ。

夫がそろそろ到着するので、病室の方々にご挨拶する。
お互い頑張りましょうね、きっと良くなるから。と言ってもらえて、泣きそう。
もう1人の方からは帰りに食べてね、とアポロをもらう。f:id:yuanne-i:20230830080312j:image

嬉しい〜
勿体無くて食べられない。、

私の他に1人退院する方が居るのだが、飛行機が取れるか分からないので、すぐ帰れるか分からないそうだ。
ちゃんと家まで歩けるか不安だわ〜と言っていて、わかる、と思った。
暑さや道の凹凸、階段など、外は不安要素いっぱい。
その方がちょうど粘着テープのコロコロを手にしておられたので、お借りしてワンピースにかけさせてもらった。

夫が到着し、春木駅まではタクシーで向かう。
電車でりんくうタウンに向かい、お昼ご飯を食べる。
夫が、私が結構歩けることに驚いている。しかし、やはり暑さは辛く、お昼もほとんど食べられなかった。

関空では自動運転の電動車椅子に乗ってみた。f:id:yuanne-i:20230830080334j:imageこれ1人だと恥ずかしいんだけど、夫が側にいれば楽しい。規定の場所まで自動で連れてってくれる。

飛行機は満席で、初めての窓際席である。f:id:yuanne-i:20230830080357j:image
f:id:yuanne-i:20230830080400p:image古墳が見えたんだよ!
1番大きいのは仁徳天皇陵古墳のようです。

f:id:yuanne-i:20230830080417j:image
f:id:yuanne-i:20230830080420j:imageあと富士山。綺麗ね。

外を見ているのが楽しくて、一睡もせず羽田に到着する。
家に着いたのは16:30ぐらい。

家は義母が一部の隙もなくピッカピカにしてくれていて、さらに熱いお茶まで卓上ポットに用意されていた。あつあつのお茶の美味しいこと。

猫は私のことを忘れていなかった。シャーって言われたらどうしようと思っていたが、声をかけたらニャーっと言ってくれたので一安心。
息子も元気そう。

義母が用意してくれていたコロッケと春雨サラダ、夫が買ってきたブリの刺身とそうめんを茹でて夕飯。
全ての塩分がしょっぱく感じて驚く。病院食の塩分の薄さよ。

8/19(完全切除手術後15日目)

よく眠れて起床。なんと21:30から7:00までぐっすりだった。

土曜日なので、また非常勤の先生が回診に来てくれた。もう今にも退院できそうなぐらい元気なので、出身とかの話になり、東京住んどるの?どこ?杉並区?うーん、どのへんやろ…みたいな会話になる。杉並区、関西では相当影薄い。当たり前か。まぁ関東でも影薄いけど。

昼前に、いつものカフェラテを買って病室に戻ろうと歩いていると、途中の部屋からY先生が出てきて、ちょうど私に用事があったらしく、退院後の通院について聞かれる。Y先生診察ないのに来てるんだ。

池田病院がええ?それともこっちがええ?
(池田は行ったことないので岸和田がええです)
ほな予約取っとくわ。3ヶ月後ぐらい。でも途中でなんかあったら電話してな。

池田病院とは、静岡にあるY先生が月1で外来診察している病院である。関東の患者は結構ここにかかっている人が多い。私も検討したが、Y先生のホームグラウンドで初回から治療したかったので岸和田を選んだ経緯がある。

次回の診察は11月14日となった。MRIと血液検査があるみたい。

とにかくよく歩こうと、夕飯後にも病棟を歩き回る。
デイルームの窓から見える夕暮れの雲が綺麗だったので写真を撮っていると、別の部屋の女性に声をかけられて少し話す。f:id:yuanne-i:20230829074421j:image

私と同じくY先生の患者で、手術後、退院した後に調子が悪くなり、また入院したのだそうだ。
明日退院なんです、と私が言うと、すごく元気そうだからもう退院なんだろうなと思っていた、とのこと。
抗がん剤辛いよねトークをする。

今日は夜8時から12時まで、メンテナンスのため断水とのこと。急いで歯磨きとトイレを済ませて寝る。